RCMS実践勉強会レポート

Oct

セミナーレポート

前回書き込みした記事　CSS Nite LP6「CMSリベンジ編」で興味をもったCMSの中の一つ、RCMSの勉強会が10月16日（金）に原宿にある株式会社シナップさんの地下会議室で行われるという噂を耳にしまして、早速参加してきました。

参加者数は定員30名と小規模ながら司会進行の蒲生さんを始めとした業界の著名人の方々ばかりでRCMSの勢いが場にいるだけで伝わってきます。
さらに最近では各種セミナーなどの協賛でRCMSの名前を目にすることが多くなっているのでWEB制作会社以外の方でもRCMSに興味を持つ人が増えることも予想され、今後のCMSの動向を窺う意味でも雰囲気を感じてみたい面もありました。

CMSの選択肢　MT以外はアリか

RCMSの紹介の前に「わざわざ使い慣れているMT（Movable Type）以外のCMSを選ぶ」・・・なぜこの選択肢が必要になるのか改めてピックアップしてみます。

MTの問題点

頻繁なアップデートで多数のプラグインが使用不可になる。（バージョンの組み合わせによって動作しないことも多々あり）
高機能化によりできることが増えた代わりに複雑になってきつつある。
便利なプラグインが有料化・高価格化しつつあり、逆に言うとデフォルトの機能が貧弱に思える
更新者にとって管理画面がわかりずらい。
難しいＭＴタグをある程度理解しなければいけない。
ＭＴ構築者でなければサイト構造全体を把握するのがわかりずらい
少し特殊なことをしようとするとハックを使ったりPHPなどのシステムを導入するなど大がかりになる
MT以外のCMS開発者の発言↓に揺さぶられる
MTやWPって、日記を書くにはいいけれど。ブログに特化したソフトなのでは？。MT使ってて、誰が楽になったの？

上記の問題点を解決するために製作者ではデフォルトのシステムにカスタマイズを加えていくわけですが、MT自体の限界、時間・予算の限界で"思った通りのCMS"として完成させるのが難しい場合があります。

また、MTはCMSとして独り勝ちしすぎている環境にあるために、例えるといくらバージョンアップしようとも痒いところに手が届かないWindowsのようなシステムとなっている面もあります。

制作者が経験を増やしても思い通りの構築スピード・構成・わかりやすさを得るのが難しいMTを使い続けるよりも、今現在ではもっといいCMSが存在しているのではなかろうか？

そう感じていた時に開催されたのが6月にあったCSS Nite LP6「CMSリベンジ編」でした。

CSS Nite LP6でＭＴから乗り換えたいCMSのNo.1に選ばれたa-blogは確かに魅力的ですが、他のCMSに比べて大きな特徴がわからず、実際にさわってみた印象もMT5(beta)と似たり寄ったりな感じであえてMTから乗り換える必要性が私的には見えてこなかったのでMT・他CMSとの差別化がハッキリしているRCMSにより興味を持ちました。

RCMSの簡単なスペック

RCMS
http://www.r-cms.jp/

関連性を付けるのが容易なので製品や情報の多いサイトに向いている。
これをＭＴで実現しようとするとかなりの手間暇がかかる。
また携帯サイト構築や他言語のサイト構築にも強い

■SaaS版　初期費用：4万円月額費用：1万円
　サーバインストール　初期費用：120万円月額費用：25万円
■動的生成、mod_rewrite標準対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え：日付順、タイトル順、ファイル名順、任意順で可能
■携帯用ページを生成可能？：自動的に携帯向けのページ生成可能。絵文字対応、画像自動縮小対応。
■管理画面カスタマイズ：現在は難しい
■カスタムフィールド（投稿画面の入力フォーム増）：自由に追加可能

RCMSの機能を簡単に紹介

特に大規模サイトや更新箇所が非常に多い場合、また更新する人のリテラシーによってはCMSの管理画面に入ってから目的の更新箇所に辿り着くのにわかりづらい部分もでてきます。

しかし、RCMSの場合では・・・

更新したいページを開いて・・・

更新したい箇所をクリックするだけで・・・

クリックした箇所の入力項目を入れる管理画面が出てきて迷うことなく直観的に更新ができます。

すでにいくつかのCMSでこのような編集したい箇所を直にクリックして編集する方式が採用されていますが、将来的にはほとんどのCMSがこの方式でも更新できる機能を備えるのではないでしょうか。

さらにRCMSの特徴として、あらゆる設定に対して容易に関連付けが可能なので記事や画像、地図情報など関連付けたい項目を選択するだけでページ中に表示させることが可能です。

・・・難しいかも？

第一部、第二部の機能解説と主なモジュール設定、HTML、CSSのカスタマイズはあらかじめ予習していたので特に問題なく終了。

第三部・・・Smartyによるテンプレートカスタマイズが始まりました。

プログラムの知識がある人にとっては朝飯前なSmartyでも、初めて見る自分としてはとても難しいように見えますが･･･。

少なくてもＭＴのテンプレートよりは複雑で敷居が高いように思いましたが、更新時の簡単さ、わかりやすさを実現するための必要な工程なのか、それともRCMSを開発する時点でテンプレートカスタマイズの簡単さ、わかりやすさを軽視していたのかは今のところ判断しかねます。

RCMSの現時点での問題点

ちょっとさわった程度なので勘違いしているところもあるかもしれません

既存でサイトがある場合には現在使用しているサーバーでの構築が難しい。
SaaS提供タイプとお客様が自社で保有のサーバや指定されたサーバへインストールを行うプランの2タイプありますが、インストールタイプを選択しますと初期費用が120万円+年間サポート25万円かかるのでSaaSでの提供タイプを選択する場合が多くなると思います。その時には現在使用しているサーバーからの移動が必要となりそうです
PHP等のセキュリティーに問題があるファイルは自由にアップできないため、RCMS開発スタッフの方にデータを提出→精査→アップという形になり、その分の費用と時間がかかります。
Smartyによるテンプレートカスタマイズ
MTがこれだけ普及したのはそれほど勉強しなくても見よう見まねで構築できてしまうほどのカスタマイズの簡易さもあると思います。RCMSも普及させるためにはテンプレートカスタマイズ時点でのわかりやすさ・簡単さをさらに追求してほしいと思います。
携帯への対応はデフォルトで可能ですが、MTプラグインにあるケータイキットほど自由自在に構築はできない（？）。これは有料でもいいのでケータイキット並にしてほしいです。

これからのCMSは面白くなる

CSS Nite LP6で誰かが言った言葉に、「MTはOSでいうところのWINDOWS、WordPressはLinux、その他のCMSはMACだ」という例え話がありましたが、MACにしては知名度が全く無いのが今までの現状でした。
しかし最近ではMT以外のCMSの露出度や頑張りが特に目立ってきたような気がします。

RCMSに限らず他のSOY CMSやもちろんそれらの挑戦を受けるMTの動きも興味深く、これからのCMSは目が離せないなぁと感じました。
今のMT独り勝ちの状況はMT自身にもよろしくないのでその意味でもMT以外の低～中価格帯のCMSの盛り上がりを期待しています。

さらに詳しい勉強会レポを読みたい方は司会進行の蒲生さんのブログへどうぞ。

RCMS実践勉強会を開催してきたよ。

by iseki 2009年10月22日 02:17