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08
Jul

CMSを比較する。CSS Nite LP, Disk 6(LP6)に行ってきました。

セミナーレポート
lp6-logo-160-2.gif

ベルサール西新宿で行われた CSS Nite LP, Disk 6(LP6)に行ってきました。

今回はCMS各社がMTに替わるべき自社製品とWeb制作に活用できるCMSのあり方についてプレゼンやパネルディスカッションを行うイベントです。

総勢260名ものWEB関係者を前にしたプレゼン合戦というスタイルと、またCMSを比較検討できるイベントもなかなか無いので会場の熱気も強く6時間という長丁場ながら退屈も眠気も起きずに最後まで楽しく参加できました。

MT以外のCMSを物色するのはなぜ?

(そもそもなぜMTじゃダメなのか?)

最近ではお客様側でwebサイトのページを自分でいつでも自由に更新したいという要望が多く、CMSの導入が非常に多くなってきています。

そんな時にはだいたいMT(Movable Type)と呼ばれるコンテンツ管理システム(CMS)が使われることになるのですが以下のような問題点がありました。

MTの短所

  1. 頻繁なアップデートで多数のプラグインが使用不可になる。(バージョンの組み合わせによって動作しないことも多々あり)
  2. 高機能化によりできることが増えた代わりに複雑になってきつつある。
  3. 更新者にとって管理画面がわかりずらい。さらに言うとWEB製作者が更新することを前提にしたCMSであるためクライアント側で更新はわかりずらい。
  4. 難しいMTタグをある程度理解しなければいけない。
  5. MT構築者でなければサイト構造全体を把握するのがわかりずらい
  6. 少し特殊なことをしようとするとハックを使ったりPHPなどのシステムを導入するなどして大がかりになる
  7. MTやWPって、日記を書くにはいいけれど・・・(プレゼン各社談)
  8. ブログに特化したソフトなのでは?(プレゼン各社談)
  9. MT使ってて、誰が楽になったの?(プレゼン各社談)

対してMTの長所はこれぐらいでしょうか。

  1. 長い間使用しているので今までのノウハウを使用できる。(工数が下がる)
  2. 多数のユーザーがノウハウを公開しているのでそれも活用できる。
  3. 価格が比較的安い(WPには劣る)

MTをさわっていると「他のCMSではもっと楽に構築できるのでは?」「他のCMSだと管理画面などわかりやすいのだろうか?」など制作中にも関わらず悩んでしまうことが多々ありました。

食わず嫌いでMT以外のCMSは試していませんでしたが、もしかしたらこれらの短所をカバーできるCMSが既に存在しているのかもしれない。

そんな考えで参加しました。

今回参加したCMS

  1. SOY CMS
  2. WebRelease2
  3. CMS Designer
  4. RCMS
  5. a-blog cms
  6. bingo!CMS
  7. Jimdo
  8. PowerCMS for MT

******************
まず各社 持ち時間45分でのプレゼン開始。内容を少しだけピックアップしてまとめます。

1.SOY CMS
http://www.soycms.net/

  • 管理画面のカスタマイズもWEBデザイナーであればある程度簡単にカスタマイズできる
  • テンプレートの形式が「HTMLほとんどそのまま」のためコーディングも楽そう
  • ファイルマネージャー機能もあり
  • お問合せ管理や簡単なCRM、ECサイトといった機能を簡単便利に利用することができるプラグインはあるが少し高い
  • 小規模案件には向いている
  • 会場での支持率:80%ほど
  • データを見た後の私の推薦度数:75%

■用途を限定せず無償(有償ライセンス52500円版も選択可能)
■動的生成(静的生成モジュールも開発可能)、mod_rewriteも標準で対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:標準で可能
■携帯用ページを生成可能?:可能(絵文字もキャリア毎に自動変換)
■管理画面カスタマイズ:HTMLがわかれば可能
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):可能

2.WebRelease2
http://www.frameworks.co.jp/

FlashのXML部分の吐き出しやjavaScript吐き出しを強調していたけどMTでもできることで、ではMTの吐き出し方とは違う次元のやり方なのであろうか?など様々な?が湧きました。
なんでもできる・自由度が高いということでプレゼンの焦点がボヤケてしまったのかもしれません。

焦点がボヤけたせいか司会者から「実例は豊富だけどWebReleaseで制作する必然性がほとんど感じられない」とバッサリ。
会場での支持率:3%ほど
データを見た後の私の推薦度数:5%(やはり値段がネックすぎますね

■500ページ制限版:50万円  ページ数無制限版:300万円
■静的生成
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:テンプレート次第で可能
■携帯用ページを生成可能?:テンプレート次第で可能
■管理画面カスタマイズ:不可
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):?

3.CMS Designer
http://cms.al-design.jp/

  • ページ単位のCMS化、更新したい部分にだけCMSを埋め込んで使う「部品型」のCMS。
  • XSLでできることはほとんどできる
  • コーディング段階は難しいのでテンプレソースは必須
  • ソート機能が充実している?
  • 会場での支持率:65%ほど
  • データを見た後の私の推薦度数:70%

■税込52290円、事業者登録すると47000円になる
■動的生成(ページキャッシュ機能により動的生成の柔軟性を持ちながら静的生成に近いパフォーマンスを持つ)
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:検討中
■携帯用ページを生成可能?:可能(絵文字もキャリア毎に自動変換)
■管理画面カスタマイズ:可能。説明文も付けることができる
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):可能。ウリのひとつ

4.RCMS
http://www.r-cms.jp/

  • 関連性を付けるのが容易なので製品や情報の多いサイトに向いている。
  • これをMTで実現しようとするとかなりの手間暇がかかる。
  • また携帯サイト構築や他言語のサイト構築にも強い
  • ポテンシャルの高さを感じたが、プレゼンがダメでこの製品の良さを理解できない人も多かった
  • 会場での支持率:70%ほど
  • データを見た後の私の推薦度数:80%

■SaaS版 初期費用:4万円 月額費用:1万円
  サーバインストール 初期費用:120万円 月額費用:25万円
■動的生成、mod_rewrite標準対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:日付順、タイトル順、ファイル名順、任意順で可能
■携帯用ページを生成可能?:自動的に携帯向けのページ生成可能。絵文字対応、画像自動縮小対応。
■管理画面カスタマイズ:現在は難しい
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):自由に追加可能

5.a-blog cms
http://www.a-blogcms.jp/

  • 管理画面も構築しやすいのでクライアントで更新するときにわかりやすい管理画面を制作できる。
  • 会場での評価も高く乗り換えたいCMS No1に選ばれました
  • フォーム機能も標準搭載
  • 検索キーワードに対応した表示結果を動的に出力するLPO対策もあり(これはかなり重要かも)
  • 会場での支持率:95%ほど
  • データを見た後の私の推薦度数:90%

■ベースライセンス52500円
■動的生成、mod_rewriteに対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:日付順、タイトル順、ファイル名順、任意順で可能
■携帯用ページを生成可能?:USER AGENTによるテーマの切り替え機能あり
■管理画面カスタマイズ:一般ページと同様に簡易的に作成できる
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):ブラウザからは追加できないがお問い合わせフォームと同様にテンプレ修正できる

************************
ここから各社 持ち時間5分でのパネルディスカッションに。

6.bingo!CMS
http://www.bingo-cms.jp/

5分間という短いセッションでの「倍速」デモが会場で大受け!「おぉー」という歓声が湧いていました。
あまりのウケ具合に司会者から
「プレゼンに45分なんて時間いらないね。次回はまず各社5分でプレゼンしてもらって来場者のウケのいいCMSを45分でプレゼンするスタイルにすればいいかな」との提案に会場は大拍手。

■シングルライセンス 95000円
■動的生成、キャッシュ機能搭載、mod_rewrite標準対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:カテゴリは可能
■携帯用ページを生成可能?:不可
■管理画面カスタマイズ:現在は難しい
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):追加可能

7.Jimdo
http://jp.jimdo.com/

国産CMSの集まりのはずが、ちゃっかり参戦。
■pro版 月額945円
■静的生成、mod_rewrite標準対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:可能
■携帯用ページを生成可能?:現在は難しい
■管理画面カスタマイズ:現不可
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):不可

8.PowerCMS for MT
http://alfasado.net/contents/power_cms/

孤立無援の今回唯一のMTプラグインツール。階層型ツリー表示でサイトの一覧性が向上したり複数のファイルを一括でアップロードできるなど
MTのための様々なプラグインが入っている。

プレゼンをしているアルファサード有限会社 代表の野田さん発言

「ぶっちゃけ・・・MTでいいんじゃね?」

この一言で会場大歓声。


思わず頷きそうになりました。

■1サーバー5ユーザー 21万円
■静的・動的生成両方対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:可能
■携帯用ページを生成可能?:生成可能。絵文字未対応
■管理画面カスタマイズ:拡張フィールドによりカスタマイズ可
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):追加可能

9.MT(比較としてデータ掲載。会場ではプレゼン等無し)
■1サーバー5ユーザー 52500円
■静的・動的生成両方対応
■カテゴリや記事を任意の順番で並び替え:テンプレート/プラグインにより可能
■携帯用ページを生成可能?:プラグインにより可能(そこそこのものだと10万円ぐらい)
■管理画面カスタマイズ:拡張フィールドによりカスタマイズ可
■カスタムフィールド(投稿画面の入力フォーム増):追加可能

まとめ

今回のイベントはプレゼンの質が製品の質と受け取られてしまう可能性もなきにしもあらずでしたが、プレゼンがイマイチなところは司会者に「"製品がいい"だけでは売れない」「マーケティングと開発能力とプレゼンなどの営業能力が揃ってこそ売れるようになるのにプレゼンで足を引っ張っているのが残念」などと"製品"に対してのフォローが入ってました。

今日のイベント参加でお客様に提案できそうな選択肢が増え有益な時間を得られました、が
案件や要件によってCMSを使い分けられるぐらいになるまでには時間はかかりそうです。

また、今回のイベントにシックス・アパートの方も来場していまして今回は四面楚歌状態でしたが
次回あたりのCSS Niteは「逆襲のMT」とかそんなテーマになるんじゃなかろうかと思いました。

また機会があれば参加してみたいと思います。

by iseki 2009年7月 8日 01:16 トラックバックTrackback (0) コメントComments (0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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