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18
Jan

Google Analyticsを活用する。 CSS Nite(LP8)に行ってきました。

セミナーレポート
lp8_banner.gif

ベルサール神田で行われた CSS Nite LP, Disk 8(LP8)に行ってきました。

参加者は満席の350名でキャンセル待ちが多数出るほどの人気イベントです。
今回のテーマは

「Google Analyticsを使ったWebアクセスログ解析とサイトへの反映」

■CSS Nite 概要

Google Analytics ベーシック
小杉 国太郎氏 グーグル株式会社

仮説検証型、かつ4つの対顧客戦略でデータを見る
~Google Analyticsを使った分析のあるべき流れ

衣袋 宏美氏 株式会社クロス・フュージョン

ユーザー行動をセグメント化して、サイト改善
~ユーザーの行動と気持ちに寄り添うセグメンテーション分析

大内 範行氏 アユダンテ株式会社

Web制作会社のための、顧客が逃げないGoogle Analyticsレポーティング
~成果アップのための解析「報告」の実践

石井 研二氏 株式会社HARMONY

経営者視点のサイトリニューアル提案
~Google Analyticsを使った経営成果の算出法

権 成俊氏 株式会社ゴンウェブコンサルティング

■今回のLP8に参加した方のアンケート結果一部抜粋

年齢

  • 10代~20代前半:6人(1.9%)
  • 20代後半:56人(17.7%)
  • 30代前半:117人(37.0%)
  • 30代後半:74人(23.4%)
  • 40代以上:54人(17.1%)
  • 無回答:9人(2.8%)

勤務

  • Web制作会社に勤務:108人(34.2%)
  • ECサイト運営担当者:20人(6.3%)
  • 企業のWeb担当(自社サイト運営):66人(20.9%)
  • 一般企業に勤務:36人(11.4%)
  • フリー:52人(16.5%)
  • 学生:1人(0.3%)
  • 求職中:4人(1.3%)
  • その他:22人(7.0%)
  • 無回答:19人(6.0%)

仕事

  • Webデザイン全般:84人(26.6%)
  • 主にマークアップ:32人(10.1%)
  • 主にプログラミング:25人(7.9%)
  • ディレクション:79人(25.0%)
  • SEO/SEM:47人(14.9%)
  • ほぼ全部:46人(14.6%)
  • 主にデザイン:14人(4.4%)
  • マーケティング:49人(15.5%)
  • 営業:14人(4.4%)
  • コンサルティング:25人(7.9%)
  • 広告関係:11人(3.5%)
  • 企業のWeb担当者:30人(9.5%)
  • 会社経営:22人(7.0%)
  • その他:11人(3.5%)
  • 無回答:21人(6.6%)

アクセス解析の取り組みについて教えてください。

  • 導入していない、これから:20人(6.3%)
  • GAを導入してみた程度:111人(35.1%)
  • GAをある程度活用している:127人(40.2%)
  • GAをかなり活用している:25人(7.9%)

では早速セッションの内容についてざっと軽くまとめていきたいと思います。
講演者の話と私の感想が入り混じってわかりずらい面がありますがご了承ください。

cssnight201009.jpg

■Google Analytics ベーシック■

小杉 国太郎氏 グーグル株式会社

googleのポリシーとして資料配布が無く残念でしたが、Google Analyticsの基本や最近の新機能などがセッションの主な内容でした。
googleが認定しているコンサルタント(GAAC)(日本で3社のみ?)の話等、初耳の部分もありましたが、内容的にはGoogleブログで以前に紹介された内容を細かく説明した感じになっています。

以下、要点をまとめていきます

直帰率はサイト平均を指標として悪いページを改善していく。
Google Analyticsが他のアクセス解析ツールより優れているところは特にアドバンスセグメントなので使いこなしてみてください。

新機能紹介

  1. アノテーション」重要なイベントにメモを付ける。メンバーと共有できる。
    ここで「アノテーション?わかりづらい名前ですね。「メモ」でいいのでは?」と大内氏からのツッコミ
    開発者が自分の開発したモノに立派な名前をつけたい気持ちはわかりますが・・・私的にはわかりやすい名前の方がありがたいです。
  2. インテリジェンス」トラフィックの変化要因を自動的に検出するアラート機能
    アラートが実行されるたびにメールを送信することも可能。急激なアクセス数の増減等でアラート設定できるので使いようによっては便利になりそうです。
  3. 非同期トラッキングコード」ページの動作に干渉しないのでよりページの表示高速化・安定化できる。
    今までのトラッキングコードはbody セクションの最後に挿入することが推奨されてましたが、2009年12月ごろから出てきた非同期トラッキングコードスニペットは他のJavaScript コードの読み込みが完了しなくても正常にロードできるため、HTMLファイル内の head セクション内に記述することが可能です
    これによりより正確なデータが計測できるとのことです。
    上記は大幅に数値が変わると考えている人とそんなに変わらないだろうと考えている人で分かれているようですが実際にどうなるかは今後調査してみたいと思います。
  4. カスタム変数」URLに依存せずにタグで管理・分析できる。ページやセッション、ユーザーに、人間が認識しやすい特別なラベルをつける機能。
    例えばニュースサイトだと日付のURLでしかソートをできないところをライターさんごとにタグを付けカテゴリによってソートできるようになる。
  5. モバイルトラッキング」現在はベータ版だけど正式版公開は2~3月?

■仮説検証型、かつ4つの対顧客戦略でデータを見る■

~Google Analyticsを使った分析のあるべき流れ
衣袋 宏美氏 株式会社クロス・フュージョン

Google Analyticsを中心とした、アクセス解析ツールの普及の一方でデータの活用不足の面があり、データ活用の前提となる分析手順と分析視点を身につけることを目的にまとめられていました。

3つのデータ解析視点

データはコンテキストの中で使う

  1. 推移を見る(トレンド)
  2. 目標と比較する(ベンチマーク)
  3. 分類してい見る(セグメント化)

4つのサイト分析フェーズ

4つの対顧客戦略(4S)

  1. 集客する(流入)
  2. 接客する(回遊)
  3. 制約する(コンバージョン)
  4. 再訪してもらう(リテンション)

■ユーザー行動をセグメント化して、サイト改善■

~ユーザーの行動と気持ちに寄り添うセグメンテーション分析
大内 範行氏 アユダンテ株式会社

温泉旅館「きらくや」を例として挙げながらアクセス解析データから、ユーザー像を探り出す取り組みを中心に話されていました。

アクセス解析に有効なアドバイスセグメントについて
アドバイスセグメントとはユーザーのアクセス状況をグループ化して分ける機能で設定は、いつでも過去のデータにさかのぼって絞り込むことが可能。

大内氏がよく使うカスタムセグメントは・・・

  1. 「新規」と「リピーター」を分けるのはセグメンテーションの基本。
  2. 新規とリピーターを厳密に
  3. リピートの訪問回数で
  4. 参照元で
  5. キーワードで
  6. ディレクトリやページ、閲覧開始ページで
  7. サイト訪問者の歩いたページ数や滞在時間で
  8. 直帰していないユーザーで
  9. コンバージョンで
  10. eコマースで
  11. 時間帯で
  12. 地域、都市で
  13. ブラウザで

カスタム変数は会員登録が前提のサイトであれば訪問者の会員登録時に、会員属性をカスタム変数に入れておけば性別、年齢、地域といった属性ごとの設定により、以下のような例も分析が可能になってきます。

  • 【例1】資料請求をしたユーザーがその後、申込完了まで到達した割合はどのくらいか?
  • 【例2】プレゼントキャンペーンに応募したユーザーはリピーターになっているか?
  • 【例3】企業ブログからの効果は?

重要なのは コンバージョンを達成するゴールの手前で「ユーザーの背中を押す何か」を考えること。
ページ遷移毎にユーザーは離脱していくので上記の方法を考えることによりコンバージョン率はぐっと高まる。

アクセス解析の効果として検討から決定までが短期間ですみ、他部門・社内での調整がスムーズ、担当者が自信を持って提案等ができる点が期待できる。

仮説と実際はかなり違うため、仮説→分析・検討→改修→を繰り返していくサイトがいい方向へ流れていく。

■Web制作会社のための、顧客が逃げないGoogle Analyticsレポーティング■

~成果アップのための解析「報告」の実践
石井 研二氏 株式会社HARMONY

Google Analyticsだけでなくエクセルもフル活用してクライアントが見やすくわかりやすいレポートの作成とコンバージョンへの効果を伸ばすためのポイントを主に話されていました。

「男性WEBマスターは全部ひっくりかえすのが好き」「逆に女性WEBマスターは「PDCA」をやってくる」の一言で会場に妙な笑いが・・・。

漫談的に進行して面白く感じている人が多数いたようでセッションの満足度でも1位を取ってました。

「制作会社にとってアクセス解析とは何か?」

  • 企業担当者が会社からほめられる
  • あなたが企業担当者からほめられる
  • 予算が出やすくなる
  • 提案が通りやすくなる
  • コンペ負けしない
  • その会社が蓄積してきたものを壊さない!

石井氏の解析サービスでの結果、年間12億PV分析全体の直帰率は

47.5%!

半数の人は1ページしか見ないで帰っているということです。

しかし1ページ以上見る人は2ページ目以降のチョッキ率が10%以下、 つまり1ページ目で帰らない人は沢山のページを見ていることになる。

【なぜ1ページ目で帰ってしまうのか?】

今はgoogleやyahoo!の検索などで TOPページ=閲覧開始ページにしているのは全体の25%しかない。

そこで集客しているページはどこで、どのルートを辿って コンバージョンを達成するゴールデンルートを洗い出す必要がある。

全体像に使うのは、「期間比較」大事なところは曜日を揃えることによってグラフが見やすくなり「施策効果」が見えてくる。

良いレポートの前提として大切なのは「施策日記」
エクセルで表にして「日付」と「施策分野」「内容」「施策URL」「効果(後日記入)」をまとめておくことによって企業側や制作会社のWEBマスターの退社や人事異動で影響されることなく施策のノウハウが蓄積されていく。

■経営者視点のサイトリニューアル提案■

~Google Analyticsを使った経営成果の算出法
権 成俊氏 株式会社ゴンウェブコンサルティング

司会者の鷹野さん(スイッチ)さんも一番注目していたセッションです。

Web制作会社の役割が変わってきた

  • Google Analyticsを使った経営者視点のリニューアル提案
    • 検索ユーザーのモデル化
    • 環境調査
    • コストの提示

Web活用のパートナーとして

  • これからのWeb制作会社はどうあるべきか

■まとめ

途中の講演者の話でもありましたが Webサイトというのは「Web制作会社に制作を頼んだ→サイトが完成して終わり」ではなくて、 制作前に仮説・検証→完成後に分析・検証さらに仮説→改修を繰り返してこそユーザーに求められるWebサイトになっていくものです。

そのこともトータルで考えていかないと、アクセスがあってもコンバージョンに結びついていないサイトになってしまいます。
よく言われる「PDCA」P:Plan(計画)、D:Do(実行)、C:Check(確認)、A:Action(改善)のマネジメントサイクルを繰り返すこと。

そのためにGoogle Analyticsをどう活用していくのか。
今更ながらGoogle Analyticsの重要性を再認識できました。

cssnight2010092.jpg

今後の制作に参考となる非常に興味深く面白いイベントでした。
講演者の方々、ありがとうございました。

by iseki 2010年1月18日 03:53 トラックバックTrackback (2) コメントComments (0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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